Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

CHROMA

世の中の "当たり前" を確認する

デザインに対する僕の考え方

はじめに

この記事の内容はデザイン書をいくつか読み、仕事で制作を行いながら学んだ僕のデザインに対する考え方です。
一般的なデザインに対する考え方とはかけ離れているかもしれないし、ましてやこれを読んだ人に押し付けたいと思っているわけではありません。

ただ、以下の二冊の本には共感することが多く書かれていて、これらの内容が自分なりの解釈で頭に残っているので、それが記事にも入っていると思う:

記事内で使っている用語

この記事では以下の意味合いで用語を使用しています:

パターンの反復と緩急付け

パターンをデザインの中で反復させることで、そのコンポーネントに意味付けを行う。(それらが見出しであるか、文章の段落であるか、それともリストであるか)

パターンは繰り返される回数が多ければ多いほど、強固なパターンとしてできあがる。
また、パターンの繰り返しは 3回以上繰り返されるほうがよいとされている。これは、製作者目線では少ない繰り返しでパターンとして認識できても、デザインを見る側からだと 2回ではパターンとして認識しにくいためである。

デザインでも見る人を飽きさせないために、音楽の 8ビートのように繰り返しと緩急を持ったリズムを作りだす必要がある。単調なパターンの繰り返しの中に装飾的アクセントを付けたり、意味的に重要なコンポーネントに対しては、繰り返されるリズムの中で装飾的アクセントとはまた違ったアプローチをとる必要がある。

コンポーネントを変化させるというのには、共通する 1つの制約を作った上で、その制約以外の箇所なら様々な方法で変化をつけることが出来る。これらの方法には、形状、色、ウエイト、枠線有無等がある。重要なのは、始めに決めた 1つの制約を崩さずにデザインを仕上げることだ。

内的必然性と外的必然性

「ハトは平和の象徴」、「エコのイメージカラーは緑」というのは社会的な慣習、流行であり、これは外敵必然性にあたる。また、「価格の安さを押し出す」、「ネット決済に安心感を与える」というのはビジネス的な外敵必然性にあたる。これらに対し、デザインを構成するタイポグラフィーや配色、そしてデザインの全体をまとめる情報の整理や画面構成といったものはデザインを制作する上での内的必然性にあたる。

クライアントがデザイナーに求めるものの多くが内的必然性(狭義の意味でのデザインの完成度の高さ)であり、デザイナーはまずこれをうまく組み立てる必要がある。

また、ロゴなど、ブランドイメージを強く押し出すものを制作する際は、社会がもつ慣習や流行の印象がどれだけつめ込まれているか(質・量)が重要となる。("デザイン、新 25+100 の法則" ではこれを命題密度と読んでいる)そして、ブランドイメージはこの社会的印象を多分に含んでいるため、(ブランドが掲げるコンセプトは崩さずに)時代の流れに合わせてロゴやパッケージなどのデザインは変化させていくものである。

全体と細部の構築

レイアウトでは、1つの重要なコンポーネントの配置を決定した後でその配置に合わせるように他の配置を決めていく方法もあれば、すべてのコンポーネントの配置を全体を見ながら配置を決める方法もある。これはレイアウトに限らず、タイポグラフィーや配色等、デザインを構成するもの全てに共通して同じことがいえる。

また、前述のどちらの方法でもデザインが仕上がった時にルールの一貫性が損なわれているおそれがある。そのため、制作の際には必ずデザインガイドラインを作っておく必要がある。これは自分の頭の中だけで組み上げておくこともできるが、時間と手間を惜しまないのであれば誰もが見えるようにしておいたほうが良い。

余白という言葉の捉え方

余白というのはレイアウトの中で余った余白の部分という意味ではない。制作にとりかかる段階から余白をどのようにとるか、ここもルール決めをしておく必要がある。余白を含めてデザインを考えることで、初めて余白をうまく活用することが出来るだろう。

余白を効果的に使うことでパターンの繰り返しにリズムを生み出し、見る人に取って重要な箇所の強調、情報の区分けが行えるようになる。

文字や文字間、文章段組の重要性

デザインの中で占める割合を考慮すると、文字が出現する割合、そして見られる割合は非常に高い。そのため、その文字や文章のデザインについて考えることは非常に重要である。
これらを考えるというのは、タイポグラフィーの選定に始まり、見出しと文章の文字間の調節、段落ごとの間隔の調節などを考えることである。

媒体とデザイン

デザインは、デザインそれだけで成り立たない。 1つのデザインを学ぶというのは、それを表示する媒体を学ぶということでもある。

WEB デザインを作るには、"WEB" がどういったものであるかというのを知り、その上で表現される"デザイン"を学ぶということである。ポスターの制作では各々のツールでデザインを作った後、印刷所で刷られる紙の色や文字がどの程度かすれるかを想定し、ポスターが掲載される環境(掲載場所の光源や見る人の目線)を考慮する必要があるのと同じように、WEB でデザインを作るなら、サイトを見る人が使うデバイス、そのデバイスで使用できる技術は最低でも考えて制作を行う必要がある。

装飾に寄る見た目と情報の区分け、2つのデザイン

人を惹きつけるために装飾やイラストは重要だ。また、見る人を迷わせないために情報の区分けを行うことや、情報自体をわかりやすく見せることも重要である。ただ、これらを下手に混在させて使用してはいけない。なぜなら、まるで天秤のように片方を強く押し上げようとするともう片方がその分押し下がるからだ。
例えば、斜めのラインを強く意識したデザインのサイトの中で、それを文字にも適用しようといて斜め線に文字を配置すると可読性は落ちる。逆に水平な線に文字を配置すると可読性は保たれるがデザインの一貫性は落ちる。

重要なのは、装飾的に見せたい箇所と情報として見せたい箇所をデザイナーが分けて考えておくことだ。

デザインに使うツール

デザインを作る際に Adobe 社製の制作ツールなどを使っている人は多いだろう。これらは、従来のデザイナーが長い経験を通して身につけるしかなかった手先の器用さを必要としない代わりに、紙と鉛筆を使って描いた時、その人だけがもつ線の強弱や色の濃淡を生み出すことはできない。
また、ツールを使うには、その中での制約を理解するコストを支払う必要があり、そのコストを支払った熟練者だけが複雑で個性的な図形を容易に描くことができる。これと比べて、紙の上に図形を描くには鉛筆などの必要な道具さえ有ればツールを学習するのに支払う分、1つコストが減る。

そしてツールはいつか亡くなる。これは開発が終了するということであり、今年は Fireworks が亡くなった。
"亡くなる" という表現は適当ではないかもしれない。けれど、他のツールでは制作効率をあげるとかまったく新しいデザインが作れる等の機能が盛り込まれている一方、自分が使っているツールではそれが追加される予定もないとなったら、それはツールとして亡くなったと言ってもいいのではないだろうか。

所詮ツールは制作を行う手段でしかない。だが、そのツール無しでは今のように制作ができないのも確かだ。常に情報を仕入れながら取捨選択を繰り返し、必要な物を見極めていくことは必要であると思う。

最後に

見ることや考えることだけでは自分の制作物の完成度は上がらないってアレなお言葉もあるし、手も動かそう。