漢字の部首の捉え方
部首(ぶしゅ)とは、漢字を分類する際に用いられる漢字の一部分である。また、それによる分類の、各グループである。部首による分類では、全ての漢字に、一つの部首が割振られる。
ある漢字のどの部首に分類されるかは字書によって異なる。特に「心部」は、ある字書では心に関係する意味合いということから「志」、「快」、「慕」を「心」部を1つにまとめて分類するが、違う字書ではこれらの形を重視してをそれぞれ別の部首に分類する。
漢字を容易に検索するために字形によって部首を分類している字書(説文解字)もあれば、漢字の意味から部首を分類して体系づけている字書(字彙)もある。こういった分類方法からも部首の分類は字書によって異なる。
部首の捉え方
1と2を使っても部首が捉えられないときは、それは会意文字かもしれない。そのときは、このような方法で形声文字と会意文字を判別することができるようだ。
形声文字
形声文字は、漢字の事象的意味を表す「意符」の部分と、漢字の発音を表す「音符」の部分の組み合わせにより成り立っている。漢字の90%以上がこの形声文字にあたる。
例えば「海」という漢字の場合、「氵(さんずい)」の部分が水に関係ある字という意味で意符にあたり、「毎」がカイと読む音符にあたる。
詳しいことはWikipediaの形声のページに書かれている。特に "類型" の項目を参照することで、例として出されている漢字から意符、音符の組み合わせが把握しやすい。
偏旁冠脚
偏旁冠脚とは、左右上下内外の要素に分解して字体を構成できる漢字のことをいう。
偏旁の位置と用語は次のとおりである。
- 偏(へん):左側に位置する
- 旁(つくり):右側に位置する
- 冠(かんむり):上側に位置する
- 脚(あし):下側に位置する
- 構(かまえ):外側に囲むように位置する
- 垂(たれ):上部から左側を覆うように位置する
- 繞(にょう):左側から下側をとりまいて位置する
同じ「木」という部首でも、「松」のように部首が左にくるものもあれば、「杢」のように上に部首がくるものや「果」のように下にくるものもある。
また、「言」や「木」、「氵」は偏になることが多く、「心」は脚にくることが多い。このようなことをある程度覚えておくことも部首を把握するのに役立ちそうだ。
これもWikipediaの偏旁のページに詳しことが書かれている。
あと、少し気になったことがあるけど、「阝」は位置によって部首名が変わる。旁(右側)にきたときは「おおざと」になって、偏(左側)にきたときは「こざとへん」になる。こういうふうに偏旁の位置によって部首名が変わる漢字はどのくらいあるんだろうか。
会意文字
会意文字は、構成要素がいずれも「意符」にあたる文字のことである。形声文字は、意符と音符から成っている文字であるため、意符のみを持つ会意文字は形声文字には属さない。
例えば「男」という字は会意文字である。象形文字の「田」と「力」によって構成され、両者はどちらも意符にあたる。田を力強い腕で耕す様子から作られた漢字とされており、部首は「田(た)」になる。
このように会意文字は偏旁で分離されていないものが多く、必然的に部首による分類がわかりにくい。