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CHROMA

世の中の "当たり前" を確認する

「利用者のために」を自分の感性に置き換えてはいけない

「利用者第一優先でサービスを改善していこう」という言葉はよく耳にする。それに、この言葉そのままではないけど、自分が作ったデザインを人に説明するときにはこの意味合いを込めて話すことが多い。

しかし、ほとんどの場合、それは自分の感性をサービスの利用者に置き換えて話してるだけじゃないだろうか。デザインや機能の取捨選択では、利用者のためになる方を選んでいると思いながらも、実のところは自分の好みや経験だけで物事を判断しているのではなかろうか。

同じ製作者が作るものであれば知識や経験量は同じなので、どちらの考えでも出来上がるものには大差が無いように思える。だが、自分の感性を信じきって制作をしていると手を止めて考える時間が少なくなることが良くないと思う。

利用者のためにというのであれば、まずは利用者を想定し、その人が本当の意味で使いやすいデザインになっているか、一人で手を動かすときでも頭の中で自問自答を繰り返さなければならない。そして、この想定する利用者は自分とタイプが異なる可能性が高いことにも注意しておきたい。

また、チームでサービスを作り上げていくときにも同じことだ。企画者と制作者、制作者と制作者、サービスに関わる人が相互に「Why ?」を重ね、その選択に至った筋道を作り上げることが重要だろう。

「相手のためを思って」と言いながら自分の考えを押し付けてはならないように、「利用者のために」と言いながら個人の感性をぶつけ合ってはいけない。これでは最終的にどちらか一方の意見を取るしかなく、物事は上手く進まない。

こんなことを思い出してから数年経つけど、制作の中で周りと意見が組み合わないのはまだ Why の回数が足りないからなんだろうな。