CHROMA

世の中の "当たり前" を確認する

人間中心設計とユーザビリティ

「初心者のためのHCD入門」というセミナーに参加してきた。
そこで聴いてきた内容は Gist に書いた。

このメモは別に自分で気になったこと、思ったことを書き残しておこう。

開発プロセスと製品の評価

ユーザビリティとは良い製品を決めるための評価の対象であり、人間中心設計( HCD )とはこの良い製品を作るための開発工程である。

利用上の品質と機能品質が高い製品を作るために考えられたプロセスが上手く進んだ場合、対象となるユーザーにとって使いやすい製品ができあがる。
そのため、より良いプロセスを考える取り組みは必要である。今自分が置かれている環境では理想とするプロセスで開発を行なうのが難しくとも、理想を持つことで現状とのギャップは少しづつ埋められていくはずだ。

また、ユーザビリティテストが行なえる設備が無いことを理由にこの取り組みをやめてはいけない。必要なのはユーザビリティに関する自分の知識と経験と周りの心優しい友人・知人だけである。もちろんテストに使用する機器や部屋があればその方が良いが、これらは絶対に必要なものではない。

「良い」とはなにか

  • 利用上の品質が高いこと
  • 機能品質が保たれていること

機能品質は製品として、使用するユーザーにとって最低限の目的を果たせるかどうかである。利用上の品質はユーザーが目的の達成を効率よく、快適に行えているかである。

良い製品を作り上げようとするのであれば、どちらも欠かすことはできない。

ユーザビリティの評価

ユーザービリティを評価するには、まずサービスや製品のターゲットとなるユーザーを決めなければならない。そして、製品を使用する中で発生する様々なタスクに対して評価を行っていく。

評価の軸となるのは次の 3つだ。

  • 有効性 ... 目標が達成できたかどうか
  • 効率性 ... 時間や手間を余分に取ることなく目標に到達できたか
  • 満足度 ... 不快感を持つことなく目標が達成できたか

これらの軸を評価しながら、ターゲットとなるユーザーが「使いやすい」というまで製品を繰り返し直していくことが重要だ。
製品が完成してユーザーの手に渡れば終わり、ではない。そこからユーザーが製品の評価を行い、その評価に基づいて製品の修正を行っていくことで使いやすい製品として完成に近づいていく。

ユーザビリティ評価の方法

次の 3つの方法がある。

  • モニターによる評価 ... 被験者(ユーザー)にタスクを与えて、その結果を見ながら評価する方法
  • 専門家による評価 ... 専門家の知識や経験に寄って評価を行なう方法
  • チェックリストなどによる評価 ... あらかじめチェックリストを作って、そのチェックを埋めるようにして評価する方法

ユーザビリティの評価の中で、満足度は専門家の知識や経験、モニターによる操作テストからは判断が難しいため、アンケート形式などで評価を行なう。

セミナーを終えて

今回参加したセミナーでは最後にワークショップも行われた。
司会、記録、被験者訳に分かれてモバイルサイトのユーザビリティ評価を行ってみるというものだったが、被験者役の人は設定されたタスクの目的に中々たどりつけなかった。 その理由は目的のキーワドがサイト上に見当たらなかったり、目的のページに遷移するリンクがページを開いた時にすぐ見つけられなかったのが為だった。

問題は僕が組んだチームだけでも 6つ出てきた。他のチームと重複した問題もあるだろうが、おそらく発見した問題全てを合わせると数十個になると思う。 問題が見つかるのは何を改善すればわかるので良いことだが、もし今回使用したサイトが自分のサイトで、その問題を解決するために取り組まなければいけないことを考えたらとお腹を下しそうになった。